なぜ一度お店を閉じたのか。そしてこれからのこと。

なぜ一度お店を閉じたのか。そしてこれからのこと。

営業を終えてから、少し時間が経ちました。

最後の日にいただいたたくさんの言葉を思い返しながら、
なぜ一度お店を区切るのか、そしてこれから何をしたいのかを整理しています。

今回の区切りは、単なる閉店ではなく、
次の形へ進むための準備期間だと考えています。

「なぜ秋田にスープカレーがないのか?」から始まった

SoupCurryGaneshは、私の素朴な疑問から始まりました。

「札幌では当たり前のスープカレーが、なぜ秋田にはないのだろう?」

秋田にはきりたんぽをはじめとする豊かなスープ文化があります。
その土地でスープカレーが受け入れられないはずがない。

そう思い、週1回のシェアレストランからスタートしました。

最初は1日10名来ていただければ十分だと考えていましたが、
回を重ねるごとにお客様は増え、30名、50名と並んでいただける日もありました。

「毎日食べられるようになったらいいのに」

その言葉に背中を押され、2023年7月に現在の店舗をオープンしました。

美味しさの裏で感じていた課題

店舗営業と同時に、レトルトスープカレーの販売も始めました。

しかし、ひとつの課題がありました。

店では素揚げ野菜の香ばしさや食感まで届けられる。
けれどレトルトでは、それを完全に再現することが難しい。

どうすれば、お店と同じ満足感を届けられるのか。

その答えのひとつが、
-50℃の急速冷凍機でした。

冷凍という可能性

急速冷凍は、単なる保存の技術ではありません。

出来立ての状態を保ったまま、
時間と場所を越えて届けることができる。

素揚げした野菜の食感や香りも、
しっかりと再現できる可能性がありました。

導入当初は試行錯誤の連続でしたが、
少しずつ形になり、冷凍スープカレーとしてお届けできるようになりました。

「自分の店だけで終わらせない」という選択

ここで、ひとつの考えが浮かびました。

この設備と仕組みは、
自分の店のためだけのものなのだろうか。

秋田には、美味しい料理を提供している飲食店や、
素晴らしい食材を作っている生産者の方々がたくさんいます。

しかし、飲食店経営は決して安定したものではありません。

天候や災害、さまざまな要因で来店数は大きく変わります。

それでも、料理や食材の価値は変わらない。

もし、その「美味しい」を冷凍という形で残し、
全国へ届けることができたらどうだろう。

秋田の“窓口”になる

私がこれから目指したいのは、
一つのお店の再開ではなく、

秋田の飲食店や生産者の「美味しい」を
冷凍でつなぎ、届ける仕組みを作ることです。

いわば、地域の食の“窓口”のような存在。

秋田という地方において、
飲食店や生産者が安定して商品を届けられる仕組みは、
まだ十分とは言えません。

だからこそ、自分がその一端を担えたらと思っています。

これからに向けて

今回、お店を一度区切るのは、
この仕組みを整えるための時間をつくるためです。

次に再開する時は、
これまでと同じ形ではなく、
新しい役割を持った場所としてお届けしたいと考えています。

最後に

最後の日にいただいた言葉の一つひとつが、
今も心に残っています。

「また再開を待っています」

その言葉に応えられるよう、
少しずつ準備を進めていきます。

この取り組みが、秋田の飲食店や生産者にとって、
新しい可能性の一つになればと願っています。